マルモ青木味噌の醗酵・熟成へのこだわり

選び抜かれた大豆や米が、酵母と酵素という命のちからと、信州長野の風土や気候という天の恵みによって、味噌へと姿を変えていく発酵・熟成という聖なる営み。私たちは、この大切な味噌づくりの熟成の工程にもこだわり、1928年(昭和3年)の創業以来、信州の味噌づくりの伝統を「天然醸造」そして「温醸造」という2つの製法で頑なに、守り続けています。

「天然醸造」と「温醸造」という2つの製法へのこだわり

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マルモ青木味噌の「温醸造」味噌は、明治以後、急速に普及した「速醸法」と呼ばれる、熟成期間をわずか数週間しかかけない、文字だけの「温醸造」味噌ではなく、4~6ヶ月という時間をかけ、温度管理を厳密に行ないながら、天然醸造と同様に春夏秋冬の温度サイクルを経験させることで熟成させた本当の「温醸造」味噌です。

また「天然醸造」は、さらなる時間と手間をかけ、仕込んだ大豆と米を約一年間、味噌蔵で寝かせ、信州長野の四季の移ろいの中で、じっくりと熟成させることで、この地でしか生み出すことのできない、香味のすぐれた複雑で丸みを持った旨みを持つ、濃厚な赤色の味噌へと育てあげる製法です。

どちらも「速醸法」に比べれば、同じ量の味噌をつくるためにかける時間も手間も大きく、生産者としては効率の悪い製法だと思いますが、私たちは発酵により育まれる味噌の旨みと香りをなによりも大切に考え、たとえ非効率であっても、この2つの製法にこだわり続けています。

酵母菌の発酵により、大豆に含まれるたんぱく質がアミノ酸に変わることで、味噌の味となるふくよかな自然な旨みを醸し出し、本当の味噌が持つ奥深い香りは発酵の最終段階、しかも熟成期間の長いものだけに生まれるのです。

味噌の香りは大豆や米の糖によるアルコール発酵でも生まれますが、本当の味噌の持つ深淵なる香りは、長い熟成期間を経てできる大豆や米の油脂分の発酵からしか生まれません。あの天然醸造味噌の持つ独特の香りは、時間をかけない速醸法でつくられた味噌たちが、決して纏うことのできない高貴で芳醇な香りなのです。

このように時間と風土が育て上げる「活きた味噌」の風味と味わい、そして味噌の持つちからは、短期間で熟成させた付け焼刃のものとはまったく違います。私たちが三代、80余年をかけてこだわってきたのはそうした「本物の味噌」であり、つくりたいのは「味噌のようなもの」ではなく「味噌」そのものなのです。

 

味噌杜氏が認めた「旬」でしか出荷しないというこだわり

  味噌ができるまでその1 味噌ができるまでその2
       
 
   
  味噌ができるまでその3 味噌ができるまでその4
       
 

味噌杜氏が認めた「旬」でしか出荷しないというこだわり

味噌杜氏の写真

このように味噌の味わいさえ左右する熟成期間ですが、長ければよいというわけでもなく、味噌づくりを行う土地の気候・風土そして温度や湿度によっても異なり、つくり出す味噌の味わいや香りの仕上がりに対しても最適な熟成期間というものがあります。

たとえば沖縄のような高温多湿の土地柄であれば醸造期間は、長野に比べれば短くて済みますが、私たちマルモ青木味噌のある、長野・善光寺平の場合、一年間の天然醸造が最も美味な仕上がりといえるため、私たちが「天然醸造」と銘打ってお届けするのは、じっくり一年寝かせた味噌だけなのです。

この熟成期間は、日にちを数えて決めるのではなく、納得のできる仕上がりになるまでの目安としての期間です。その期間は、仕込みはじめの時期によって異なり、その最適な熟成状況を見極めるのが、味噌杜氏と呼ばれる匠の経験と感性です。熟成度合いを見極めながら、樽の中の味噌を返し、発酵が均等に進むよう、まるで自分の子どもを育てるように、日々愛情と注意を注いでおいしい味噌を育んでいくのです。


このようにつくられる味噌たちにも生鮮食品に旬があるように、香りも旨みも 「今が一番美味しい仕上がり」という「旬」があります。マルモ青木味噌では「温醸造」「天然醸造」ともに、経験豊かな味噌杜氏が味・香り・色・組成を念入りに判断し「今がこの味噌の旬」という時を見極め、それを認めたときにはじめて製品として出荷します。

だからこそ、その旬の味をお届けするために、「生へのこだわり」の項でお話しさせていただきましたように、添加物を一切使用せず、パッケージや配送方法にもこだわりぬき、活きた味噌をお届けする努力を続けているのです。


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